あなたに会いに行く。(中編)

家に帰ると、お母さんが玄関で仁王立ちしていた。やばい、怒ってる。

最近、帰ってくるの遅いわね。何かしてるの?

近所の公園で、人とね、話してたの。

はぁ、あんまり遅くなっちゃダメよ?ご飯の前にシャワー浴びてきなさい。

はーい。

あんまり怒って無いみたいで良かったぁ。お母さん怒ると怖いんだもん。

湯船に浸かって、公園で出会ったあの子を思い浮かべてみる。

フードで隠してて、顔は見えなかったけど、思い出してみたら、声聞いたことあるんだよなぁ。んん、誰だっけ。?

理佐!!お風呂長い!!!お母さんとお父さんは、ご飯いつ食べればいいのよ!?!?

うわっ!ごめん!

お母さんに怒られて急いで頭と身体を洗った。

ご飯を食べ終わり、2階で勉強していると、織田奈那から着信があった。いつも私が電話しても無視するくせになんだろ。

織田奈那ー、どうした?

やっと、繋がった!ねぇ!理佐今どこ!?

は?家だけど。どうかしたの?

理佐の近所の公園でちょっとした事件が起きた見たいで。良かった、家かー。

近所の公園まさかっ!

ごめん!織田奈那もう切る!

え、ちょっとりっ!

電話を乱暴に切って、下に転がるように降りていった。

お母さん、ごめん!学校に忘れ物してきたから取ってくる!!

気をつけていくのよ?

はーい!

こういう時理解の早い親で助かった。

私は、自転車に跨り、あの子と会っていた公園へと向かった。

何事も、ありませんように、ありませんように。

願い虚しく、公園の周りには、パトカーと救急車が止まっていた。

ごめんなさい、ごめんなさい、通して下さい!

人混みをかき分けて、救急車の近くにいくと、そこには、フードの外れたあの子がボロボロの姿で横たわっていた。

愛佳!!!

なんで、この子の名前愛佳?愛佳、愛佳何故だろう、もう決して忘れちゃいけない気がする

あなたは、この方の知り合いですか!?

え、えっと、はい!

一緒に救急車に乗ってください!

え、あ、はい!!

愛佳と一緒に救急車で近くの病院まで運ばれた。途中、お母さんに連絡を入れて。

病院に運ばれて、愛佳は、処置室に運び込まれた。見ず知らずの人のはずなのになんで、何でこんなに不安なの?なんで?

30分ぐらいたった後だろうか、処置室から先生が出てきた。

軽い脳震盪を起こして、今は眠っています。念のため、入院してもらうのですが、ご家族の方はどちらに?

わか、りません。

そう、ですか。なら、彼女が目覚めるまで待ちましょう。あなたは、どうしますか?

ここにいさせて下さい。

後で看護師に毛布を持ってこさせましょう。では。

はい、ありがどうございます。

ニコッと微笑んで先生は部屋から出て行った。優しげな先生だったなぁ

横を見てみると、愛佳がスヤスヤと眠っていた。なんでこんなボロボロになってたんだろ。私、愛佳のこと知ってるはずなのに思い出せない。愛佳、あなたは、誰なの?

ん、

愛佳、気がついた?

りっちゃん?どうして、ここに?来ちゃダメだよって言ったのにどうして?

りっちゃんその呼び方、もしかして!?

もなちゃん?

思い出しちゃったんだ。でも、嬉しいなぁふぁー

嬉しそうに愛佳がふにゃぁと笑ったあと、欠伸をした。寝起き悪いのかな。絶対に寝惚けてるよね。

愛佳?

へ?

キョトンとした顔で見つめられた。あ、完璧に起きたんだ。

まさか、思い出しちゃったの?